
少ない。
そこで、ケープサイズばら積船のトップサイドタンクのトランスリングを試供構造とし、面材形状の違いを縦糸、リング形状やウェブ、面材の寸法などの影響を横糸として、強度特性の検討を行うとともに、それらと工事・材科費の関係を整理し、合理的なトランスリング構造の設計を行う為の指針となる資料を作成した。
(1) 試供構造
本SRのWG1でのアンケート結果を整理して、ケープサイズばら積み船の標準的なトランスリング形状を仮定し、以下の検討の試供構造とした。
(2) 平行桁モデルによる比較計算
トランスリングの斜板に平行な直線桁の部分を取り出した図2.7.8に示すFEMモデルにより、面材形状毎に桁や面材のアスペクト、ウェブの防撓構造などが、応力や変位、面材有効率に与える影響を調べ、パラメータ毎に図示した。
・T型とL型の強度特性の差は桁の両端で大きく、スパン中央では小さくなること。
・桁のスパンと深さの比が4.5以上になると、T型とL型の差が小さくなってくること。
・面材に垂直方向のウェブ付き防撓材の深さがその長さの10%弱あれば、平行桁中央での応力や撓みに、平行桁モデル、T型/L型で差が無くなること。
などの知見や確認が得られた。
(3) トランスリングモデルによる比較計算
図2.7.9に示すトランスリニング全体のFEMモデルにより、面材形状毎に画材やウェブの寸法、形状、肘板、ダブラーなどが、応力や変位に与える影響を調べ、パラメータ毎に図示した。
・標準のリングモデルでは、L3直線型の応力はコーナーR部でT型の30〜45%増、L3R型では15%程度増加する。桁中央部では何れの場合も7〜8%増になる。
・面材をRに沿わせたT/L3R型では面材の面積増でコーナー部の応力を20%程度下げることも現実的であるが、L3直線型では効果が小さい。
・ウェブの板厚全体を上げれば大きな応力低減効果があるが、コーナー周囲のみにダブラーを設けることでも同程度の効果が得られる。この場合応力は板厚の平方根に逆比例する。
・トランスリングのウェブの端部に設けられているトリッピングブラケットは、応力面ではあまり寄与していない。

図2.7.8 平行桁モデル

図2.7.9 トランスリングモデル
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